○共同住宅等に福祉施設等が入居する場合の取扱要領

平成27年8月18日

泉州南消防組合消防長訓令第7号

1 趣旨

この要領は、共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例を適用している防火対象物の一部に消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)別表第一(6)項ロ及びハ(有料老人ホーム、福祉ホーム、認知症対応型老人共同生活援助施設、障害者共同生活援助施設に限る。以下「福祉施設等」という。)に掲げる用途に供される部分が入居した場合の取扱い及び令第32条を適用する場合の基準を次のとおり定める。

2 適用対象

次に適合するものであること。

(1) 共同住宅並びに福祉施設等の用途以外の用途に供する部分が存しないもの

(2) 福祉施設等の床面積の合計が、延べ面積の10%以下、かつ、300m2未満のもの

(3) 福祉施設等の各独立部分(構造上区分された数個の部分の各部分で独立して住居その他の用途に供されることができる部分をいう。以下同じ。)の床面積がいずれも100m2以下であること。

3 特例基準

次に適合する場合、現に設置されている消防用設備等の技術上の基準は、福祉施設等の用途に供する部分を除き、なお従前の例によることができるものとし、また、共同住宅部分については消防法(昭和23年法律第186号)第17条の3第2項第4号の規定により必要となる消防用設備等を設置しないことができる。

(1) 福祉施設等の用途に供する部分については、必要となる消防用設備等を設置し、及び維持すること。なお、令第12条第1項第3号及び第10号から第12号まで、令第21条第1項第3号、第7号、第10号及び第14号並びに令第26条の規定の適用については、当該用途に供される部分を一の防火対象物とみなす。

(2) 福祉施設等の部分に必要となる各消防用設備等の設置については、次によること。

ア 消火器具

消火器具については、福祉施設等のうち独立部分ごとに各部分から、それぞれ一の消火器具に至る歩行距離が20m以下となるように、令第10条第2項並びに消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号。以下「規則」という。)第6条から第9条まで(第6条第6項を除く。)及び第11条に定める基準により設置すること。ただし、共同住宅の廊下又は通路部分等に技術上の基準に従い、消火器具を適正に設置している場合にあっては、独立部分ごとに設置しないことができる。

イ スプリンクラー設備

スプリンクラー設備については、次に定めるところにより設置すること。

(ア) 令第12条第1項第3号に掲げる防火対象物にあっても、特定施設水道連結型スプリンクラー設備を設置することができること。

(イ) 規則第12条の2又は規則第13条第1項の規定に適合している場合は、スプリンクラー設備を設置しないことができる。

ウ 自動火災報知設備

自動火災報知設備については、次に定めるところにより設置すること。

(ア) 福祉施設等に、自動火災報知設備を設置すること。

なお、特定小規模施設用自動火災報知設備を設置すれば、自動火災報知設備の設置は要しないこと。

(イ) 福祉施設等のうち独立部分ごとに設置することができること。

なお、この場合、各独立部分には、常時、従業者(当該施設に勤務する職員をいう。以下同じ。)が確保されているか、又は、当該施設において発生した火災を、当該施設の関係者(当該施設の所有者、管理者又は従業者をいう。以下同じ。)に、自動的に、かつ、有効に報知することができる措置を講じる必要があること。

福祉施設等で発生した火災を、当該施設の関係者に、自動的に、かつ、有効に報知することができる措置は、次のとおりとする。

a 住棟受信機が設置されている場合にあっては、福祉施設等において火災が発生した際、当該施設の関係者が存する階の音声警報装置等が鳴動するよう措置されているもの

b 福祉施設等部分の感知器、共同住宅用受信機、住戸用受信機又は住棟受信機の作動と連動して起動する緊急通報装置等の通報先として、当該施設の関係者が常時いる場所を登録しているもの

(ウ) 福祉施設等のうち独立部分が2以上ある場合で、同一の事業主等により施設運営(以下「複数利用型社会福祉施設」という。)されている場合にあっては、いずれの独立部分の火災についても当該施設の関係者に、自動的に、かつ、有効に報知することができる措置を講じること。

(エ) 福祉施設等に共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備が設置されている場合については、新たに自動火災報知設備の設置は要しないこと。

なお、この場合にあっても前(イ)又は(ウ)による措置を講じること。

エ 消防機関へ通報する火災報知設備

消防機関へ通報する火災報知設備(以下「火災通報装置」という。)については、次に定めるところにより、設置すること。

(ア) 福祉施設等のうち独立部分ごとに設置すること。

(イ) 複数利用型社会福祉施設の場合については、主たる施設に火災通報装置本体を、従たる施設に遠隔起動装置を設置することにより、1の独立部分として取り扱って差し支えないこと。

なお、消防機関からの逆信(呼び返し)時に応答する必要があることから、通報内容(火災である旨並びに施設が存する階又は部分、名称、電話番号及びその他必要な事項)を火災通報装置及び遠隔起動装置の直近に明示すること。

オ 誘導灯

(ア) 誘導灯については、福祉施設等のうち独立部分ごとに設置すること。

(イ) 規則第28条の2の規定又は消防用設備等の設置に関する通知等による特例規定に適合している場合は、誘導灯を設置しないことができる。

4 事務処理上の留意事項

(1) 福祉施設等は、福祉施設等における避難及び消防活動上並びに福祉施設等の存する階の上階に存する共同住宅等における避難上の観点からも、避難階又はその直上階に存することが望ましいこと。

(2) 当該特例基準を適用する場合は、特例承認願いを提出させること。

(3) 令別表第一(16)項イとなることにより、消防用設備等点検結果報告が年1回となるため、事前に指導すること。

この訓令は、平成27年8月18日から施行する。

共同住宅等に福祉施設等が入居する場合の取扱要領

平成27年8月18日 消防長訓令第7号

(平成27年8月18日施行)

体系情報
第7編 務/第1章
沿革情報
平成27年8月18日 消防長訓令第7号