○泉州南消防組合水難救助業務実施要綱

平成29年10月1日

泉州南消防組合消防長訓令第12号

(目的)

第1条 この要綱は泉州南消防組合救助業務規程(以下「規程」という。)第17条に定める水難救助活動に関し、自給気式潜水器具、救助艇その他の必要な資器材を使用し、水難救助等の活動を安全確実に行うため必要な事項を定めることを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱の用語は、次の各号に定めるところによる。

(1) 水難事故 河川、ダム、ため池、海岸等(以下「河川等」という。)の水域で発生した救助活動を必要とする事故をいう。

(2) 水難救助活動 水難事故により生命、身体に危険が及び、自ら危険を排除することができない者を救助する活動をいう。(空気ボンベを装着した自給気式潜水器具等を使用し、人命の救助を目的として行う潜水活動を含む。)

(3) 水難救助隊長(以下「隊長」という。) 規程第7条に定める救助隊長をいう。

(4) 潜水隊員(以下「隊員」という。) 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第72条第1項に定める免許(潜水士免許)の交付を受け、水難救助隊員養成訓練を修了した者の中から、警備課長が指名した者をいう。

(5) 水難救助隊(以下「水難隊」という。) 水難救助活動に必要な潜水器具、救助艇、その他の資器材(以下「水難資器材」という。)を保有した救助隊により編成された隊をいう。

(6) 潜水時間 潜降開始から浮上を開始するまでの時間をいう。

(7) 浮上時間 水底又は水中の活動位置から水面に達するまでの時間をいう。

(水難隊の配置)

第3条 水難隊は、警備課に配置する。

(出動)

第4条 水難救助出動については、次によるものとする。

(1) 水難事故が発生した旨の通報を受けたとき。

(2) その他、消防長又は警備課長が認めた場合は、他機関と協議して管轄区域外で活動を行うことができるものとする。

(現場報告)

第5条 隊長は、水難救助活動を実施する場合、次の各号に掲げる事項について水難救助現場を管轄する最上級指揮者(以下「最上級指揮者」という。)に報告しなければならない。

(1) 水難事故発生水域の水難救助活動の可否

(2) 活動方針及び任務分担

(3) 潜水深度、潜水時間及び浮上予定時間

(4) その他必要な事項

(水難資器材)

第6条 水難資器材は、警備課に保管する。

2 隊員は、水難資器材の保守管理に努め、水難救助活動に際して、その使用に支障をきたさないようにしなければならない。

3 隊員は、水難資器材の点検を定期に実施し、その結果を記録しなければならない。また、修理及び必要な措置を講じたときも、その旨を記録しなければならない。

(水難救助活動の基準)

第7条 水難救助活動を実施する場合は、別に定める水難救助活動要領及び次の各号に定める基準に基づき実施するものとする。

(1) 活動区域は、泉州南広域消防本部の管轄区域内で、陸上支援隊及び救助艇と連携の取れる水平距離30メートル以内の範囲内とする。

(2) 潜水深度は、10メートル未満とする

(3) 水温は、摂氏7度以上とする。ただし、ドライスーツを着用した場合は、摂氏0度以上とすることができる。

(4) 流速は、1.0ノット以下とする。

(5) 波高は、0.5メートル以下とする。

(6) 水中の視界は、0.5メートル以上とする。

(7) 潜水時間帯は、日の出から日没までの間とする。

(8) 1日の潜水活動は、最高圧力を充てんしたボンベ2本を消費するまでとする。

(9) 波浪警報等が発令されている場合及び災害現場において、風速8メートル以上、波高0.5メートル以上となる場合は水難救助活動を中止する。

(10) 上記基準以外の条件下であって、最上級指揮者及び隊長が、照明器具及び救助艇等の資器材を使用し、隊員の潜水能力等を総合的に考慮して安全が確保できると判断した場合にはこの限りではない。

(安全対策)

第8条 警備課長は、水難救助活動を実施する場合は、隊員の健康状態を事前に確認しなければならない。

2 最上級指揮者及び隊長は、水難救助活動の内容を検討し、現場の状況変化に対応できるよう合理的な活動方法を選定するとともに、隊員の任務分担、活動計画、浮上開始時間、その他の必要事項を全隊員に対し確実に指示しなければならない。

3 隊員は、水難救助活動を実施する場合、使用する潜水器具及びボンベ空気圧を点検し、その結果を隊長に報告するとともに、適切な水難資器材を携行しなければならない。

4 隊員は、2人以上1組(バディ潜水)の原則を厳守し、指示された以外の水難救助活動を行ってはならない。

5 隊員は潜降及び浮上を適正に行わなければならない。

6 最上級指揮者は、潜水時の予期しない事故に備え、原則予備隊員を指名し潜水可能な状態で待機させるとともに、陸上支援隊に潜水時間等必要事項を記録させなければならない。

7 船舶等が航行する水域の救助等は、海上衝突予防法(昭和52年法律第62号)第27条第5項第二号の定める国際A旗を掲げ、当該水域への他の船舶の進入を防止しなければならない。

8 浮上速度は、毎分10メートル以下とする。ただし、事故等のため必要がある場合は、この限りでない。

9 潜水器具を使用し潜水した隊員を過激な業務に従事させてはならない。

10 警備課長は、隊員に安全管理及び水難救助活動の円滑な実施のため管内の水質、水深、水流などの状況並びにその他水難救助活動上影響のある事象について、組合内の警防調査を実施させ、管内の状況把握に務めさせなければならない。

(健康管理)

第9条 水難救助活動に係る健康管理については、次の各号による。

(1) 健康診断

警備課長は、隊員に高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号。以下「規則」という。)第38条に基づく健康診断を実施しなければならない。

健康診断を実施した場合は、規則第39条に基づき健康診断結果報告を5年間保存しなければならない。

(2) 法令に基づく就業の禁止

警備課長は次に掲げる者を、その症状が完治するまでの間、潜水業務に就かせてはならない。

 規則第38条に基づく健康診断の結果、医師に潜水業務不適と診断された者

 規則第41条に定める病者

 健康診断において、就業制限を受けている者

(3) 安全確保のための就業禁止

次の症状のある者については、本人の申告又は隊長の判断に基づいて決定する。

 かぜ、頭痛、消化器系の疾患又はその他の疾患等により、体調の悪い者(鼻づまり、眼病、歯痛等の局部的な不調を含む。)

 外傷、皮膚病等の体表面に異状のある者

 現場活動、訓練、その他の業務に従事して疲労が著しい者

 精神的負担あるいは動揺等が著しい者

 その他潜水業務を行わせることが適当でないと認められる事由のある者

(4) 警備課長は、前2項に定めるもののほか、水難救助活動は、物理的、生理的作用など行動上の制約を受け、二次的災害の発生危険が大であることから、隊員に関係法令の遵守及び健康管理はもとより、平素から緊急事態発生時に適切な処置対応がとれるよう活動技能を習得させなければならない。

(関係機関との相互協力)

第10条 最上級指揮者は、関係機関とともに水難救助活動を行う場合はこれら関係機関の最上級指揮者とそれぞれの任務分担、活動方法、その他の必要事項を協議し、密接な連絡を保持しなければならない。

(その他)

第11条 この要綱に定める他必要な事項は、別に定める。

この訓令は、平成29年10月1日から施行する。

(令和4年3月25日消防長訓令第10号)

この訓令は、令和4年4月1日から施行する。

(令和5年3月22日消防長訓令第6号)

この訓令は、令和5年4月1日から施行する。

泉州南消防組合水難救助業務実施要綱

平成29年10月1日 消防長訓令第12号

(令和5年4月1日施行)